大手道をしばらく登って行くと、前田利家が住んでいたと伝えられる屋敷跡「伝前田利家邸跡」に到着します。 頭に「伝」とついているのは、前田利家はこの時代、柴田勝家の与力であり、城内に広大な屋敷をもらえる身分でなかった、安土古城図にも記載がないなど証拠がないためのようです。 第二次世界大戦後に、羽柴秀吉と仲の良かったことから、後で出てくる秀吉の屋敷の向かいにあったであろうと創作されたものではないかと言われています。
伝前田利家邸跡虎口
虎口とは玄関口にあたるところです。大手道に沿って石塁を切って入口を設け、その内側に枡形の空間を作ったことから、この虎口は「内枡形」と呼ばれています。 写真の正面に石垣が見えると思いますが、その石垣が櫓台で、さらに上段に多門櫓があったといわれています。
写真の正面位置に三段の石垣があり、一番上の3段目には多門櫓が、また兵が多門櫓の前段階で迎え撃つために、櫓台に行くための通路である武者走りが1、2段目にあったと言われています。
伝前田利家邸跡から大手道をもうしばらくあがると伝羽柴秀吉邸主殿跡があります。 主殿とは、接客や主人の生活に使われていた中心的な建物をいいます。 こちらも秀吉が住んでいたという証拠は何も発掘されておらず、信長の御座所ではないかという意見もあるそうです。
伝羽柴秀吉邸主殿跡
大手道入ってすぐの場所から撮影。このあたりに主殿の玄関があったと言われています。
主殿跡奥から大手道方面に向けて撮影。このあたりに簡単な配膳を行う内台所があったと言われています。
どうもこの主殿跡のもう少し手前に櫓や厩跡があったようなのですが見逃してしまいました。 いつかリベンジしたいと思います。 安土城郭資料館で買った 「発掘調査20年の記録 安土信長の城と城下町」 滋賀県教育委員会編著 という本を参考にしました。AMAZONでも買えるようです。
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(つづく)
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